第三者として、物語を見ていく、そんな感じを受けた。時代が変わる時、人の思想はそんな簡単に変化できない。柔軟な思考を持たない人、すぐに変われる人、変わったように見せかけているだけの人。
この手の話はあまり好きではないので、半ば嫌々読了した。主に、主人公の悦子の事が苦手である。そして、長崎時代の近所に住む佐知子との噛み合わない会話。義父の緒方、夫の二郎との関係。イギリス時代の娘の景子の話、娘のニキとの関係。
じっとりと、ねっとりとした会話。薄暗くて光のない雰囲気。閉塞感。
もやもやとした感じだけが残ってしまった。
たぶん、自分とニキを重ねてしまっているのだろう。
昭和の映画を見ているようだった。好きな方もいると思う。
※次は、日の名残りを読んでみます。
こいつ、やだなぁ。と思わせられる。ということは、人物がきちんと練られていて、描写が上手いと言うことなんでしょうね。