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【読書】ブラックボックス 伊藤詩織

これは、女性、男性問わず、一読してほしい。

 

レイプの被害者は、女性とは限らない。男児がおじさんに襲われるニュースを耳にしたこともあるだろう。全く見知らぬ人からよりも、知っている人間から被害を受ける場合も多いのだ。

 

被害に合わないように、加害者にならないようにするにはどうしたらいいのか、についても議論はもちろん、対策も必要だ。だが、襲いたい側の欲求を削ぐのはなかなかに難しいと思う。そして、被害にあった後、どのように行動すればよいのか、自分の学生時代には学校の性教育では習わなかった。なんとなくの自己防衛術の授業はあったが、実技はなく、到底実践できるレベルではない。

 

そこで、もしも被害に遭ってしまった場合、どのように行動をしたら良いのか、を教えてくれているので、それをまず、紹介したい。

 

本当は、この本を読んで欲しい。でも、これは、最低限必要な知識だと思い。被害届を出す出さずに関わらず、初期段階にとにかく行動することをお勧めしたい。そして、じっくり考えた上で被害届を出すかどうかきめるのがよいと思う。

 

1. 救急外来に行き、検査をする。

 すぐにレイプキットでの検査や血液検査をしてくれる医療機関に向かう。開業医の婦人科にレイプキットが置いてあることはまずなく、レイプとドラッグの両方の検査を行うにはやはり、救急外来がよい。

 

2. 体や服は洗わない。

 気持ちの悪さから洗いたくなるそうだが、後々証拠として出すことになるかもしれない。

 

3. デートレイプドラッグの疑いがある場合、毛髪を取っておくとよい。

 毛髪から服用後三週間後に検出した例があることから、事件から時間が経過した後も、毛髪から薬物の痕跡を検出する方法があるらしい。

 

4. 信頼できる人に話す。

 混乱しているときに、誰かに頼れる人と、自分でなんとかしなくてはと頼れない人といると思うが、この人はという信頼できる人に話すことが解決の糸口だと思う。肉体的にも、精神的にも、追い詰められる前に、誰かに頼ることが必要。

 

これはほんの第一段階である。

読中、合意があったかどうか。の壁の高さに、愕然とした。被害にあった人間がどこまで精神をすり減らして検査をして被害届をだすのか。

 

詩織さんは本当に、ジャーナリストだと思う。自分がジャーナリストを目指していたとしてもこんな目にあったら、果たして、訴えを起こせるかどうかわからない。途中で諦めても仕方がないほどに、頼りになる。きっとどうにかうまくいく。と思ったものから、非情な仕打ちを受けて打ちのめされる。それを経験してもなお、これはおかしいのだ、と声をあげているのだ。

 

自分は、男は父親以外は信じることなかれ、警察も、医師も、教師も、親戚も、男は男、気をつけなさいと母から教わったが、父親だって、加害者である事件もある。ありがたい教えだったのか、変に警戒心が強いので、今まで何事もなかったが、やはり、危険な時はあったと思う。結局、運が良かっただけかもしれないのだ。ただ、人間不信なだけだったかもしれないし、歪な精神を生んだだけかもしれない。

 

被害にあった場合の対処方法も知らない。そんな世の中はやはりおかしい。男女ともに性教育で、レイプやそれに類似する行為をされた場合の対処方法は教えた方が良い。何を信じて、何を頼ったらいいのか。これからもっと議論を深めて、詩織さんの提唱するレイプ救済システムを作っていかなければならない。この本を読むと、現状にゾッとする。

 

※被害届を出したり、訴えを起こすことがどんなに大変か。傷つけられた人間わここまで酷使するやり方しかない事に、呆然。すぐに何かできる事があるとすれば、知人、友人とこの情報を共有し、この本をお勧めして、広めてもらえるようにお願いする事でしょうか。