ぐうたらぐーったらしながら、食べて飲んで旅してます

仮名手本忠臣蔵でゾクっ

さて、いろいろあって、京都に行った話と、文楽の話である。(以下、すごく長い)

 

いったい、いつの話なんだ。というくらい前に文楽、京都の事を書いたが、ようやく本題といった感じである。

 

三浦しをんの「仏果を得ず」を読み、そこで出てくる「仮名手本忠臣蔵」が見たくなり、ネット検索した結果、チケットを取った。

よく考えればわかるはずなのだが、場所が、「日本橋(にほんばし)」ではなく、「日本橋(にっぽんばし)」だったのだ。その結果、京都大阪旅行に行く事になったのである。小説の中に、国立文楽劇場は大阪にあると書かれているし、サイトに載っていた地図は、地下鉄堺筋線と千日線が描かれているし、なんならチケットにも06から始まる電話番号が書いてある。にもかかわらず、ずっと気がつかずに、公演の一週間前くらいに何時に家を出れば良いか検索しようと、地図を見て気がついたのである。

 

日曜の午前中の公演を取った事が幸いして、見に行く事ができた。クレジットカードで買っておらず、平日の夜でチケットを取っていたら、確実にキャンセルしていた事だろう。

 

そこまでして見にいった感想は、行ってよかった。という事である。

 

まずは、前日に京都入りをして、行きたいカフェ、ご飯屋さん、寺を巡り、服やら雑貨なども買い、初めてのカプセルホテルを経験し、5年ぶりの完全一人旅を満喫したのである。

 

そして、当日は気になっていた、「にっぽんばし」の老舗喫茶店へ。

お腹を満たしたのちに、文楽劇場へ向かった。

 

見に行ったのは、文楽鑑賞教室というもので、文楽の楽しみ方をレクチャーしていただき、仮名手本忠臣蔵のショートバージョンを鑑賞する。というもの。

 

最初に解説なしで二人禿を鑑賞。遊郭でまだ幼い行儀見習いの少女(禿:かむろ)二人が数え唄に合わせて羽根つきをするお話。

 

文楽についてのお話は、若い太夫さんが(人気ありそうな方だった)文楽とは何か、太夫の役割などについて解説。お三味線の方がでてきて三味線の弾き方や感情表現について解説。たとえば、こんな風に表現します。と言っては、べーんっと弾くのである。泣くときの表現はいくつかあったのだが、自分には違いがわからないものもあった。そして、人形遣いの解説が面白かった。実演も交えて、三名で人形を遣う方法や、顔、体での感情表現など。これだけでもかなり楽しい。

行って見て驚いたのは字幕だ。太夫さんは抑揚をつけて物語を語るので、なんて言ったのかわからない時があるのだが、それを補う役割である。進化してる。のだろうか?敷居が少し低くなり親しみやすくなるのかも知れない。

 

 

さて、仮名手本忠臣蔵は、吉良上野介役の高直師(こうのもろなお)がとにかくムカツク野郎なのである。そして、浅野内匠頭役の塩谷半官(えんやはんがん)、その家来たちがなんと切ないことか。途中、なんだか気持ちが良くて寝てしまったのだが、最後の大石蔵之助役の由良助が仇討ちを決意した睨みに、ゾクっとし、鳥肌さえたった。

 

こんなに面白い芸能があったのかと、知らないとは損していたな。と思いつつ、いや、今の年齢だからこそ楽しめるのかも知れないと感じた。

 

昔、北野武監督のdollsと言う映画を見たが、あれにも出ていたなと。思い出した。もう一度見てみよう。

 

さて、字幕、舞台、床(太夫さんとお三味線の方がいるところ)と3つとも見たい、となると、席は後ろの方が俯瞰できて面白いと思う。

自分は、字幕を見ずに、舞台と床が見たいので、次回は事前に少し予習をして、真ん中くらいに座りたい。9月には東京で違う演目ではあるが公演があるので、興味のある方は是非。

 

※鑑賞した後は、しばらく文楽の笑い方が頭の中に残り、事あるごとに脳内再生していました。こうやって文字にすると病気みたいですね。そして、仮名手本忠臣蔵のお三味線の方がイケメンで驚きました。アレは追っ掛けいますね。